Quantcast
Channel: にしおかすみこ オフィシャルブログ powered by Ameba
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2695

エアー寿司

$
0
0

長野。
スタジオで本番前の打ち合わせ中。



隣に座っている方が
右の人さし指と中指を左手で包んでいる。
寿司を握っているような仕草だ。


「今日はいいネタそろってるんですよ。何にしましょ」と小声で聞いてくる。



エアー寿司だ。
この人は、打ち合わせ中に架空の寿司を握り、ありもしない店を開店している。。



「じゃあトロください」とコソコソ返す。



「へい、トロ入りました」と、
マイムでガラスケースを開ける。
トロを取りだし、わさびを多めに、
酢飯をキュッと握る。



実際には何もないのだが、そう見えてくる。器用だ。
「へいお待ち」と。



「いただきます」
目に見えない寿司を頂く。
「くうぅ~。わさびきいてますね~。でも美味しい」と返す。



「さ、お客さん、次、何にしましょ」と聞いてくる。



え。。次もあるの。。
何にしようか考えていたら。



「かっぱ巻き、どうです?」と。



「はい、お願いします」



エアーの巻きすを敷いて、
海苔と酢飯とキュウリをのせて、
キュッキュッと巻きながら
本番の台本チェックと原稿読みもこなす。



器用だ。。
「へい、おまち」と。



かっぱ巻きをいただく。



横でフリップの説明確認をしている。
「さ、次、何にしましょ」




。。。え、、終わりではないのか。。
「。。。じゃ、、イカ下さい」




「へい」
再び、見えないガラスケースを開ける。
イカを出す。
握る。
「えー、3番線、3番線に電車が到着いたします。白線の内側までおさがりください」と
車掌さんの駅アナウンスの物真似をはさむ。似ている。
「へい、イカおまち」と。



「いただきます」
本番2分前。
エアー寿司でお腹がいっぱいだ。



本番スタート。
寸前までエアー寿司を開店させていたとは思えない、完璧な仕事ぶり。



私などが、とても言える立場ではないのだが、
ベテランの大先輩はやはりすごいなあと思う。



遊び心といい、
技術といい、
ご一緒できることは
とても尊いことだなと思う。


楽しいな。



ただ、次回、エアー寿司を開店させたら、
断ろう。。

打ち合わせが耳に入ってこない。。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 2695

Trending Articles